薬が承認されるためには治験が必要

私たちが病気や怪我をした際にお世話になる薬には、症状を抑える効能(主作用)だけでなく、毒性を示す副作用も存在しています。したがって、製薬会社は新薬の開発に際して、その安全性を確かめる試験が繰り返し行われます。

生活習慣病の治験薬

試験はいきなり人に対して行うのは危険なため、まず細菌や細胞などを対象として、薬の候補物質(化合物)の効果の有無や毒性などを調べる試験を行い、次のステップとして動物実験を行います。そして動物でもその有効性と安全性が十分に確認された場合、いよいよ人を対象とした臨床試験に進むわけです。そして、厚生労働省の審査を無事に合格したら、晴れて医薬品として市販されることになります。

治験は第1〜3相の3段階に分けられています。同意の得られた少数の健康な人(抗がん剤の場合は患者)を対象に、薬の有効性と安全性を確認するのが第1相試験で、採血(血液一般検査・血液生化学検査)、血圧測定、尿検査等で披験者の健康に影響がないかを調べます。続く第2相試験では、同意を得た少数の患者を対象に行われ、適切な用法・用量はどのくらいなのかを確認します。最後の第3相試験では、数百人から数千人の大規模な患者を対象に、既に市販されている薬などと比較します。

画期的な新薬の開発は患者と製薬会社に大きな利益をもたらしますが、薬の候補物質を探す段階に始まり、3段階の治験を経て、新薬の開発が行われるまで最低10年以上の歳月と莫大な開発予算が必要です。日本製薬工業会のデータによると、過去5年間に国内の製薬企業で合成された化合物およそ53万5000のうち、臨床試験まで進んだのはたった79種類、さらに医薬品の開発までこぎつけたのは27種類(確率にすると0.005%)。

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